萩の湯ラプソディ

毎週日曜日に銭湯に行く。

鶯谷駅からほど近い「萩の湯」という銭湯。

都内最大級の町銭湯として去年オープンし、ネットでも実生活でもそこそこ話題になったので、ご存知の方も多いかと思う。

haginoyu.jp

鶯谷というのは不思議な町で、山手線の1日乗降者数は最下位。無数のラブホテルと墓地に囲まれている駅を出ると、デリヘル嬢や吉原からの迎えの車を手持ち無沙汰に待つ男たちが点在している。全体としてクラウディ。空も空気もどんよりとしている。

ところが。

連れの者が隣町の入谷に住んでいる関係で、毎週末鶯谷を訪問しているうちに、私はすっかりこの町に魅入られてしまった。

なんたって名前がいい。鶯谷。名前だけ聞くと超風流。雅。そんな趣を感じながら、駅に着くと突然のラブホテル群。

歌舞伎町や円山町、五反田など都内のラブホテル乱立地域は他にもあるが、その大体が駅や歓楽街の裏手5、6分の所にある訳で、駅の目の前が群、いやどっちかというと軍って感じで、ラブホテルたちが出迎えてくれる感覚を私は味わったことがない。

かと思いきや裏手には寛永寺があり、墓地がズラーッと控えている。ラブホテル軍に目を奪われているその真後ろで、ひっそりと伏兵たちが待ち構えている。軍。軍感が強い。

その二軍に挟まれた格好の駅はどこか所在なさ気にポツンと立っている。空は今日も曇り。

雅さが全然無い。かといって下町特有のガヤガヤした人情感も感じられない。

どこかこの世の境みたいな雰囲気が私にはとても面白く、居心地が良い町に感じられてしまった。逆に風流?みたいな。

魅入られたのだと思う。

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萩の湯はそんな鶯谷駅北口のすぐ側に出来た。地上4階建て?のビルディング丸ごと銭湯で、マジ半端ない。

入浴 + タオルセットが540円。ということは手ぶらでも540円あれば風呂に入れると言うこと。

もちろん、洗い場にはボディソープ、リンスインシャンプーが備わっており、私はキューティクルにこだわらないタイプの人間なので、手ぶらで十分に体や髪の毛を洗うことができる。 半露天になっている岩風呂や熱湯、サウナ、水風呂、炭酸風呂、電気風呂にジェットバスなど風呂種も充実しているので、軽く90分くらいは滞在できる。上がったら二階の休憩所「こもれび」で、瓶ビールと餃子・唐揚げなどをつまむ。興奮する。まさに極楽。そう思うと、ラブホ、墓地、風呂場とこの町は「極楽」との距離が近い。

連れの者は当初、銭湯に対して良いイメージを持っていなかった。と言うより、まともに行ったことが無かった。 しかし今や回数券を購入。ハギラーを自称し、近所なのを良いことに通い詰めている。

私も勿論、日曜日は欠かさずにハギる。先週は久々にサウナ付きのロングでハギった。(※ ちなみに入浴 + サウナ + タオルセットだと700円)

日曜にハギらないと、寝つきが悪い。翌朝の電車が人身事故を起こす。大雪が降る。などロクなことがない。

萩の湯はもはや私にとって生活習慣の一部となり、私はこの春、鶯谷に越すことになっている。